2024年6月8日、9日に武蔵大学江古田キャンパスで開催された2024年度日本女性学会の分科会Hにおいて、トランスジェンダーをシス女性にとっての脅威的存在として描くトランス差別言説が報告者によってなされ、これに抗議の意志あるいは対抗言論を提示した参加者に罵声・嘲笑が浴びせられる一幕があったことが、複数の参加者によって告発されています。
告発された内容が事実であれば、ジェンダーの解放を通じてその平等を達成することが目的であるはずのフェミニズムの発展を阻害するトランス差別言説であり、TransgenderJapanとしてこれを看過することはできません。他方、学問の自由に鑑みて、日本女性学会の“学会自治”が損なわれることもあってはならないと考えます。
本件は既に日本女性学会の構成員によって問題化されており、日本女性学会22期・23期幹事会名義による「対応を検討している」旨が2024年7月14日付で表明されています。学問は「巨人の肩の上に乗る」もの、すなわち、論理的整合性を持った科学的成果の積み重ねです。日本女性学会の学会自治が機能し、分科会Hの報告および議論が学問と呼ぶに足る内実であったか否かが十分に検証され、また検証結果が公表されることを期待します。
2024年7月24日
一般社団法人TransgenderJapan